「命の食事」と「ガン」の関係

ガン細胞は、よく正常細胞が先祖帰りをした細胞だと言われる場合があります。

有名な腫瘍マーカーに『癌胎児性抗原』(CEA)と呼ばれるものがあったり、胞状奇胎(ほうじょうきたい)といって、受精卵が子宮内膜に着床した後、受精卵の細胞分裂に異常が起こり、その受精卵がガン化して子宮に入り込んでいく病気の存在が、ガン細胞と胎児の細胞の類似性を物語っています。

そもそも、ガン細胞の起源は地球最古の生物と言われる「原核生物」にあります。

今から約45億年前、太陽系に地球が誕生し、約38億年前に初めて生物が誕生したと言われます。

原始的で細胞内に「核」を持たないので「原核生物(菌)」と呼ばれます。

この時期の地球は、大気中に酸素が存在していないので、酸素を使わずに糖を分解してエネルギーを作って生きてきました。

酸素があると弱ってしまうので「嫌気性菌」とも呼ばれています。

そして38億年たった今でも「永遠に細胞分裂を繰り返して」増殖を続けています。

約35億年前には、地球上に溢れかえっていた二酸化炭素と水と太陽エネルギーから糖と酸素を作る「藻」が出現しました。

それによって大気中に酸素が増え25億年前に糖と酸素を使って二酸化炭素と水とエネルギーを作る「ミトコンドリア」が現れることになります。

さらに20億年前にその「ミトコンドリア」を細胞質内に取り込み共生を始める好気性菌が現れました。

酸素を使いながらエネルギーを作る際に発生する活性酸素から遺伝子を守るため、細胞内に「核」を形成したので「真核生物」に分類されます。

酸素を使うエネルギー生産に特徴的なのは、糖だけでなく、脂肪をエネルギー源にできることです。

地球上の動植物は全て「真核生物」です。

ガン細胞は酸素があっても使わずに糖を分解してエネルギーに変える点や、永遠に細胞分裂を繰り返す点などで「原核生物」に近い性質を持っています。

 

 

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