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タンパク質の不足により、むくみを起こすことがあります。
私たちの肝臓では、アルブミンというたんぱく質を合成しています。
このアルブミンは、血液中に存在している100種類以上のタンパク質の約60%を占めるタンパク質です
私たちの、身体の血管中の血液量や体液の水分量を調節する重要な働きをしています。
何らかの原因で、アルブミンが不足すると、血管の外に水分が漏れ出てしまい、むくみや腹水、胸水などの症状を起こします。
偏った食事や過度なダイエット、食が細くなった高齢者などでタンパク質の摂取が不足することでアルブミンが不足しむくみやすくなることがあります。
アルブミンは、血液検査で測定でき介護の観点では3.8g/dl以下だと栄養低下の危険が高いと言われています。
栄養の偏りに気を付け、肉類などの動物性たんぱく質も摂取するように心がけましょう。
その他、アルブミンが不足する原因
1・タンパク質の摂取不足
2.肝機能障害(作れない)
3・腎臓障害(タンパク質が異常に排泄されてしまう)
4・腸の障害(タンパク質を吸収できない)
5・がん悪液質
がん悪液質とは、がんに伴う体重減少や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群のことです。
進行がん患者の80%以上に認められ、体重減少や食欲不振といった典型的な症状以外に、抗がん剤などの効果の減弱、副作用や治療中断の増加、免疫細胞を作る原料になるタンパク質の不足から、免疫力が落ち、肺炎に至って生存率を低下させます。
がんを患うと見る影もなくげっそりやせるのはこのためです。
なぜ「がん」になると「がん悪液質」ができるのかというと、がん細胞とそれに対する生体反応として、正常細胞から炎症性サイトカインが大量に分泌されるからです。
それが慢性的な炎症と代謝異常を引き起こし、骨格筋の減少を伴う体重減少と食欲不振を招きます。
その結果、急激に体力や免疫力が低下し衰弱していきます。
だからこそ、がん患者さんに対しては早期にがん悪液質治療を開始することが重要です。
がん悪液質は、
1「前がん悪液質」
2「悪液質」
3「不応性悪液質」の3つの連続
した病期に分類されます。
1.はごく軽い全身倦怠感、食欲低下が出現する時期で終末期前期にあたります。患者さんは抗がん剤治療を受けていることが多く、通常の日常生活を過ごしています。この時期に積極的な栄養介入が必要です。
2は全身倦怠感が見られ、食欲が低下、徐々に衰弱が進行していく時期です。患者さんは徐々に治療するのがつらくなり、筋力低下が表れます。がん細胞は糖しかエネルギーとして使えませんが、患者さんの筋肉を溶かしてタンパク質を糖に変えて、増殖を続けます。終末期前期から中期にあたります。
3では体力低下が顕著になり抗がん剤治療の効果が期待できなくなる時期で、余命の限られた状態となります。
これらの状態は、血液検査では、血中アルブミン(ALB)の低下(この数字が3を切るようになってくると、がん悪液質の傾向が強まっていると考えられます)の度合いでチェックします。
また、炎症性たんぱく質の増加は、CRPでチェックします。この数字は大きくなればなるほど、炎症性タンパク質の量が増えていることを表します。がん悪液質の状態になってくると、上限値の10倍~100倍の数字が出てくることもまれではありません。
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