塩について

 

「塩はミネラルの塊であり、生命の源である海のエキス」です。

ただし、精製塩(人工塩)には他のミネラルは入っていませんから、私が呼ぶ「塩」からは除外します。

精製塩は、今すぐ使うのをやめましょう。

人類の祖先は海の中で生まれ、進化をしてきました。

やがて鰓(エラ)呼吸から肺呼吸に酸素の取り込み方を変えて、海から陸に生活の場を変えた祖先は、海を身体の内側に抱えた状態に保つことで、生命を維持してきたのです。

身体の内側の海とは、私たちの血液であり、体液です。

血液のことを「血潮」と呼ぶのは、そういう意味があります。

その海のエキスである塩を「身体に悪いもの」としてどんな人にも一律に減らすことを求めるのは、自然の摂理に適っていません。

どんなによいものでも、過ぎたるは及ばざるが如しで、過剰摂取をよしとする訳ではありませんが、食べて「美味しい」と感じる塩味(鹹味)の濃さは、その時の体内のミネラルの状況によって変わるので、人間は無意識にちゃんと適正な塩分を食事からとっているのです。(不要な塩分はおしっこから出します。)

ミネラルはバランスが大切で、かつ体内で合成して作り出すことができないので、すべて口から食品としてバランスよく摂る必要があります。

地球上には92種類のミネラルがあるとされ、主要な16種類をはじめ、ほとんどは海水に含まれています。

主要でない76種類の微量ミネラルも、その一つが欠けても体内の生命活動に支障をきたします。

現代の栄養学は、微量なミネラルの存在は「微量だから」という理由で無視していますが、無視してよいミネラルは一つもないのです。

マルチミネラルという名前で販売されているミネラルサプリメントの最大の問題点は、主要ミネラルしか配合していないことです。

フランスの生物学者にルネ・カントンという人がいました。

彼は人、犬、うさぎ、カエル、トカゲ、ハト、魚の白血球が、海水の中で正常性を保つことを実験で証明し、病気の犬の血管に薄めた海水を注入して、その犬を救い(この実験は公開実験だったので、大反響が起きました。)、ついに腸チフス末期で、余命わずかという人の静脈にも薄めた海水を注射し、その患者のすべての症状を奇跡的に回復させました。

その後、カントンは余命が限られた人に次々と同じ治療を施し、重病から救ったといいます。

カントンは「海洋療法(タラソテラピー)の父」と呼ばれるまでになりましたが、彼の死後、カントンの治療法をこころよく思わない人たちにより、彼の存在と治療法がなかったことにされて、現在に至っています。

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