東洋医学・五行の世界観と自律神経

 

東洋医学・五行の世界観と自律神経

 

人体の臓器は、役割分担をしながら、それぞれの働きを担っています。

自律神経系は「肝・胆のう系」と密接に関係しています。(ちなみに、循環器系は「心・小腸系」と、免疫系は「胃・脾臓・膵臓系」と、リンパ系は「肺・大腸系」と、内分泌系は「腎・膀胱系」と深く結びついているのです。

 

 五行の生命エネルギーの循環は、新しい生命が萌えいずる春の季節と同じグループの「肝・胆のう系」から始まります。

 

 

冬の陰の気が衰えて、陽の気が生成、発展するのが春の季節で、1日の中では、夜の陰の気から陽の気に変わる「朝」に相当します。

 

 「木・火・土・金・水」の中では、「木」に相当するのが「肝・胆のう系」で、植物健やかに成長、発展を遂げるように、人間のスムーズな成長、発展を支える「自律神経」を支配しています。

 

 この「自律神経」には緊張を支配する交感神経と、リラックスのリズムを支配する副交感神経の二つのまったく真逆の流れがあります。

この緊張とリラックスを受け持つ二つの神経のバランスが良ければ健康状態が保たれます。

 

 ところがストレスの多い現代社会では交感神経が優位になりやすく、血管や筋肉が緊張するため血液の流れが悪くなります。

とくに、敵と戦う時に使う事がない、皮膚・胃腸(消化・吸収・排泄)・次世代を作るための生殖器関連などの血流は、極端に絞られてしまいます。

ストレスとは自分の外側に原因がありそうですが、自分に起きてきた様々な出来事が交感神経の緊張につながるか否かは、その人の心の中に「執着」があるかないかに左右されます。

 

「執着(自分を、その時の自分以上に見せようとする心であったり、他者をコントロールして自分を優位にしようとする心であったり、もっともっと〇〇が欲しいと思う物欲であったり、人それぞれですが・・)を手放す」ことができると、リラックスしていつも自分のペースを大切にできる副交感神経優位な体内を創ることができます。

 

 自律神経の乱れは、血液の流れを管理する「心・小腸系」に影響を与えます

 

「心・小腸系」は陽の気が成熟し、陰の気が最小限になる夏を支配しています。

 

1日では、暑さがピークになる昼ごろに当たります。

 

燃える炎のように熱による暑さが増すため、体内では「火」にあたる「心」が活発に動いて血液循環を良くし、熱を循環させます。

 

そして、発汗や呼気を通じて熱が空気中に放出される結果、体温が一定に保たれるのです。

 

 ところが、精神的過緊張や「執着が捨てられない」心の影響を受けて、自律神経が失調し、交感神経が過剰に緊張すると、毛細血管への血流量が落ち、血液の流れが悪くなるため、熱が体内に滞ってしまいます。

 

 熱のアンバランスな状態(人によっては、下半身が冷えて、上半身がほてるなど)は、赤ら顔や高血圧、不整脈、動悸、冷えのぼせ、立ちくらみ、尿の灼熱感など、「心臓・小腸系」の症状となって現れます。

過敏性腸症候群なども同じグループの病態です。

 

 これらの症状の改善には、「心臓・小腸系」(火)にエネルギーを送る母親役の「肝臓・胆のう系」(木)の働きを良くして、自律神経のバランスと流れを整えてあげることが大切です。

 

自律神経のバランスと流れが整うと、「心臓・小腸系」(血液の循環に関係するところ)が元気に働いてくれるのです。

 

 

 

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