白内障と漢方

最近、目がかすんで見えにくくなった…

眼鏡をかけても見えにくい・・・

もしかして白内障？

そんな悩みを抱えていませんか？

白内障とは？

白内障とは、目のレンズの役割りをしている「水晶体」が白く濁ることで、視界がぼやけたり、かすんだり、まぶしさを感じて見えずらくなり、視力が低下する病気です。

白内障の最も多い原因は加齢によるもので、老化や紫外線などの影響で水晶体が変質していきます。

また、加齢以外の原因として、アトピー性皮膚炎、糖尿病、目の怪我や病気に併発するもの、放射線や長期にわたる副腎皮質ホルモン（ステロイド）の服用などがあります。

白内障の症状

白内障の症状は、水晶体が濁ることで、視界がぼやけたり、見え方が変わったりすることが主な特徴です。

・視界がぼやける、かすむ

水晶体が濁ることにより、まるで霧がかかったように、物がぼやけて見えたり、輪郭がはっきりしないように感じることがあります。

・視力低下

遠近ともに視力が低下し、眼鏡やコンタクトレンズの度数が合わなくなることがあります。

・光がまぶしい

太陽の光や車のヘッドライトなど、強い光がまぶしく感じやすくなります。これは、濁った水晶体が光を散乱させるためです。

・目が疲れやすい

目の疲れを感じやすく、細かい作業がしづらくなることがあります。

白内障の治療法

白内障の治療法は、症状が軽度の場合は点眼薬や内服薬で進行を抑えます。

ただ、一度濁ってしまった水晶体は透明に戻すことができないので、進行した場合には手術を行います。

白内障の手術

白内障の手術は日帰りで行えることが多く、安全性の高い手術として定着しています。

・超音波水晶体乳化吸引術

濁った水晶体を超音波で細かく砕き、吸引して取り除きます。その後、人工レンズを挿入します。

手術後、しばらくは点眼薬による治療が必要になります。

また、激しい運動や重たいものを持ち上げるなどの行為は、医師の指示に従って行うようにしましょう。

白内障と漢方

東洋医学では、白内障は単に目の病気ではなく、体全体のバランスが崩れた結果として起こると考えられています。

東洋医学では、五臓（肝、心、脾、肺、腎）がそれぞれ体の特定の機能を司り、互いに影響し合っていると考えられています。

白内障は、特に肝と腎の機能低下に関連付けられることが多いです。

肝

目は肝に開竅（かいきょう）すると考えられており、肝の血が不足すると視力低下や目の乾燥を引き起こすとされます。

腎

腎は先天的な精気を貯蔵する臓器であり、腎の精気が不足すると、目への栄養供給が不足し、目の老化の原因となります。

気血津液のバランス

気・血・津液はともに人体の生命活動を維持するための重要な物質で、これらのバランスが崩れると、様々な病気を引き起こします。

東洋医学での白内障は、単に目の症状を改善するだけでなく、体全体のバランスを整えることを目指します。

代表的な漢方

白内障に良いとされる漢方は、体質や症状によって異なります。

一般的に、目の乾燥や疲れ、肝機能の低下などに伴う白内障に対して、以下のような漢方薬が用いられることがあります。

杞菊地黄丸（こぎくじおうがん）

目の乾燥、疲れ、視力低下に効果があるとされています。肝腎の陰虚を補い、目を潤す作用があります。

八味地黄丸（はちみじおうがん）

腎虚による腰痛、冷え性、頻尿などに伴う目のかすみに用いられます。腎陽を補い、体の温めを促します。