食事と感情の関係

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食生活は精神的健康の「欠けているピース」かもしれない

あなたは、食生活が精神的健康を支える重要な要素かもしれないと考えたことはありますか?

ハーバード大学の研究によると、不健康な食生活はうつ病のリスクを高める可能性があることが示されています。言い換えれば、毎日食べるものは、感情、エネルギーレベル、さらには思考パターンに深く関係しているのです。

今回は、現代の研究、臨床事例、そして伝統中国医学の知識を組み合わせ、食生活が精神衛生に与える影響を理解し、実践可能な健康戦略を紹介します。

食生活が精神衛生に与える影響

脳は体重のわずか2%ほどしか占めませんが、正常に機能するために大量のエネルギーと栄養素を消費します。しかし、現代の忙しい社会では、多くの人が加工食品や甘いスナック、カフェインに頼って日々を過ごしています。このような食生活は、不安やうつ、気分の浮き沈み、さらには認知力の低下と関連があることが研究で示されています。

最大の課題は、多くの現代食品が「エンプティカロリー」(栄養価が低く、加工された原材料や糖分が多い食品)であることです。研究では特に若年層において、ファーストフードの頻繁な摂取は、うつ病や不安症状と関連していることがわかっています。一方、自然食品や未加工の肉類を多く含む食生活は、感情の安定や精神の健康向上に貢献するとされています。

具体的な症例を紹介する前に、医師でも間違えている脳の栄養に関する誤解についてお話しましょう。

一昔前までは、脳細胞は「糖」しかエネルギーに変えることができない、と言われていました。

しかし、真実は、脳細胞は「糖だけではなく、脂肪をエネルギーに変えることができる」のです。

糖尿病の患者さんにまで、ある程度の「糖」は脳のために食べるべきだ、と食事指導がなされていました。

それなのに、腸から糖の吸収を抑制する薬を飲ませるという、まったく矛盾した指導と治療が行われることすらありました。それらは、脳細胞が「糖」しかエネルギーとして受け入れないという昔の医学の常識を、「脂肪」もエネルギーに変えられるという新常識にアップデートできていなかったからです。

糖質の摂り過ぎは、間違いなく健康を害します。精神や自律神経にも、悪影響を与えます。

糖を分解してエネルギーを創り出す「解糖系」の体内システムが動く時、自律神経は緊張を作る「交感神経」が優位になるように、私たちの身体は設計されています。

逆に「脂肪」を燃やす体内システムが動く時は、リラックスしている状態を作ってくれる「副交感神経」が優位になるのです。

私たちの病気は、基本的には「過緊張」が根本にありますから、糖をたくさん身体に入れれば入れるほど、病気になりやすくなります。

さらに、血中の糖が平常時の90~100くらいの血糖値から、上がったとたんに、脂肪を燃やすシステムが休止するようにできています。体内に糖が糖のまま長く存在すると、血管壁を始めとして、体中のいたるところで「炎症」を起こすからです。そのため、余った「糖」は肝臓でグリコーゲンや中性脂肪などに変えられて、肝臓内や内臓脂肪、皮下脂肪として蓄えられます。

ですから、血糖値が90~100の時間を、24時間の中でできるだけ増やすことが、感情を穏やかにし、自律神経を安定させるのに、とても大切なのです。

事例紹介: 30代のある女性は、不安エネルギー不足に悩んでいました。彼女の食事は主に白パンと甘い飲み物が中心で、タンパク質や野菜の摂取がほとんどありませんでした。当初、彼女は自身の問題を心理的なものだと考えていましたが、詳細な分析を行うと、食習慣と感情状態の間に直接的な関連があることが判明しました。

評価の結果、彼女の食生活にいくつかの改善策を提案しました。

  • オメガ3脂肪酸の摂取を増やすために、良質な魚油(クリルオイル)を追加
  • ビタミンB群の摂取を増やすために、葉野菜やレンズ豆を多く含む食事に変更、また「一物全体食」の発想のもとに作られた「いちぜんだし」という天然だしを利用して料理を作る
  • マグネシウムの補給のため、甘いスナックをナッツや種子に置き換え、また塩を天然の塩に変更

3か月後、「不安の大幅な軽減、落ち着きと集中力の向上、仕事へのエネルギー増加」のご報告を頂きました。

精神衛生に重要な栄養素

現代科学では、特定の栄養素が精神的健康に不可欠であることが証明されています。

  • オメガ3脂肪酸:脳細胞の構成要素。炎症を抑え、サーモン、イワシ、サバ、オキアミやクルミに豊富。
  • ビタミンB群:神経伝達物質の生成に不可欠。不足するとイライラ、疲労、うつの原因に。
  • マグネシウム:ストレスを軽減し、睡眠の質を向上。ナッツ、種子、ダークチョコレートが良い供給源。
  • プロバイオティクス:「幸福ホルモン」セロトニンの90%は腸で生成。枯草菌生産物質、乳酸菌生産物質、ピクルス、ケフィアが腸内環境を整える。

研究によると、地中海式ダイエットを12週間続けた男性は、うつ症状が大幅に改善したと報告されています。(地中海ダイエットの食事法も、改善法の一つです。新鮮な魚介類と野菜、たっぷりの天然オリーブオイルを使った食事法です。)

中医学の視点:食事と精神衛生

伝統中国医学では、食事が心身両面に総合的な影響を与えると考えられています。この理論では、健康には「気(エネルギー)」が不可欠であり、気の流れが妨げられると不安やうつの原因となるとされています。

脾気不足

消化吸収の機能が低下し、栄養の変換がうまくいかなくなると、情緒不安定や過度な心配につながります。この場合、温かい消化の良い食べ物(野菜粥、サツマイモ、カボチャ)を摂ることが推奨されます。

ある患者のケースでは、仕事のストレスによる不眠と不安に悩んでいました。消化を助けるお粥と、鎮静作用のある乾燥龍眼を食事に加えたところ、数週間で症状が大幅に改善しました。

心陰不足

心臓の滋養液が不足すると、不眠や不安の原因になります。更年期の女性によく見られます。ハスの実、クコの実、紅棗を摂取することで、心を落ち着かせることができます。

研究によると、クコの実の抽出物は腸内細菌や胆汁酸代謝に影響を与え、神経炎症や認知障害の改善が期待できるとされています。

食生活改善のための実践的なヒント

  1. 自然食品を多く摂取:野菜、果物、全粒穀物、赤身の肉、卵を取り入れる。
  2. 主要栄養素を補う:オメガ3豊富な魚を週2回、プロバイオティクス(枯草菌や乳酸菌の生産物質や酪酸菌などの摂取で得られる健康上の利益のこと)食品を毎日摂る。
  3. ジャンクフードを避ける:加工食品や甘いお菓子の摂取を減らす。

4.辛抱強く取り組む:少しずつ変化を加え、継続的に健康的な食生活を続ける。

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