ストレスを漢方的に考えてみる①

ストレスに対応する際の、最も根源的で、確かな解決方法は、ストレスを感じない生き方を選択することです。

自分の目の前に起きてくる様々な出来事は、すべて自分の肉体を通して、まだ体験したことのない感情を味わうために、自らが引き寄せるのだという人もいます。

そんなとらえ方に沿って考えてみると、本来感情には、「いい感情」も「悪い感情」もないということになるのでしょう。

「なるほど、怒りって感情はこんな感じか・・・」「悲しみって、胸がこんな感じに苦しくなるんだな・・・」「うっわー、これが噂の『嫉妬』ってやつかー!!」
湧き上がってくる感情を否定せず、存在を認めて、観察を楽しみながら、感情自体はそのままにしておく・・・。

喜びや幸せは、放っておくと拡がる性質を持っていますが、怒りや、恐れや、悲しみや、憂いや、嫉妬や、恨みは、放っておくと、収縮して消えてしまう性質を持っています。
ですから、ネガティブな感情に対する一番いい対処法は、善悪をつけずに、観察し、味わったら、そのまま放置することなのです。


しかし、私たちは中々、それが出来ません。どうしても抵抗をしてしまいます。

感じるのが恐くて、存在そのものを認めなかったり、心の倉庫の中にしまいこんでしまったり、別の感情に転化して、自己正当化をしたり、自己嫌悪に浸ったり・・・。

そうやって、ネガティブな感情をどんどん自分の心の中で増幅強大化させていきます。その結果として、ストレスが原因の様々な症状が肉体の上に現れるようになってきます。

ネガティブな感情がどんどん自分の中で増幅強大化した時には、「痛み」や「痒み」や「しびれ」は、実際よりも「強く」感じるようになります。

「気」が滞るために、刺激に対して、反応が鋭敏になってしまうからです。ご自分がどちらかというと「神経質」だと認識していらっしゃる方や、心配なことがあるとすぐ胃に来てしまう方、人とお話をする時、早口になってしまう方などは、ご自身の主症状を解決する前に、自律神経の調整をする漢方を使っておいてから、主症状に向かわないと、薬が効かないという事態になってしまします。

ストレスの原因となる出来事が、どんな感情を引き起こしたかによって、トラブルの中心となる臓器が異なってきます。

つづく

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