「病は氣から」(自律神経のお話し1)

 

[病は氣から」

 

「氣」というものがあり、それが人間の生命に深く関わっているという考え方は、5,000年~3,000年前から、中国の哲学や医学の本に登場している最も基礎的な漢方理論の一つです。

 

健康を守ったり、病気を予防したり、病気を治すときに、健康の役に立つ「氣」を“正氣”とか“元氣”と表現してきました。(逆に健康を害する氣を“邪気”と呼んでいます。)

 

インドの古典的伝統医学書であるアーユルベーダでは、“正氣”や“元氣”のことを“プラーナ”と呼んでいます。

 

 

生まれつき備わっている「氣」は腎にあります。

 

地球(大地)からのエネルギー(氣)は食べ物を通して脾氣となります。

 

天の氣(空気)は肺から入って、脾氣と合わさり、全身をめぐります。

 

心(臓)は血をめぐらせ、肝は氣の流れ(自律神経)を調整することで、血や水のめぐりを調節します。

 

現代医学でいうところの「自律神経(交感神経と副交感神経による二重支配)」は、漢方では肝の影響下にあるとされています。

 

交感神経は、生命の危機的状況から脱したり、怒り・恐れ・悲しみ等々のネガティブな感情が優位になった時に働く神経です。

 

逆に副交感神経は、平安な気分の中で、リラックスしたり、食事をしたり、眠ったりする時に働く神経です。

 

人間の精神を司っているのは心(脳)なので、前述の肝と共に、心(脳)も自律神経のバランス調整に、大きく関わっています。

 

ストレスフルな生活は、氣の流れ(自律神経)のバランスを崩しやすく、氣(自律神経)が血と水の流れを調整しているので、結果的に「氣」「血」「水」すべての供給に問題が発生して、細胞を傷め、病気が発生していくという流れになっています。

 

では、私たちはストレスコントロールをどのように行ったらいいでしょうか?

 

天気をコントロールすることができないように、私たちは、自分の環境や自分に起きてくる出来事を自由自在に変えることは出来ません。

 

家族や友人と計画していた旅行が、たまたま台風の到来と重なり、飛行機や電車が止まってしまって、身動きができなくなった時、私たちは台風を加害者にし、自分を被害者にして、ネガティブな感情をこころの中に発生させ、いつまでもため息をつき続けることがあります。

 

自分の力(人間の力)では、どうにもコントロールできないことの代表選手は天気ですが、地球が太陽の周りをまわり、自転をし、月が地球の周りをまわっている、宇宙の法則も、勝手に動かすことができません。

 

この宇宙の法則の中に、「選択の自由」という大きな宇宙法則があります。

 

相手が自然災害なら、仕方ないと諦めもつくが、相手が人間になってくると、「話は別」になることが多いですね。

 

しかし、宇宙がすべての人間に「選択の自由」を与えているので、

自分に都合がいい選択を、相手がしなくても、それは宇宙が保証している「選択の自由」に由っていますので、そこに善悪・良否の裁定は、少なくとも宇宙レベルではありません。

 

ただし、もう一つ大きな宇宙法則に「原因と結果の因果応報の法則」もありますから、自分が選択したことの結果は、その人の人生に現れてきます。

 

それは宇宙が担当するレベルの事象なので、人間の私たちが首を突っ込む必要のない領域の話なのです。

 

しかし、宇宙にお任せしておけばよい「自由選択」を人間が裁こうとしてしまうところにストレスが発生する根本原因があります。

 

 

私たちの親・パートナー・子供・親戚・お隣さん・仕事の上司・部下・同僚・初めて会う見知らぬ人、そんな縁があるすべての人には、その人が自由に生きてよいという「宇宙法則」が貫かれています。

 

もちろん、私たちもです。

 

それなのに、私たちは相手に自分の価値観の鋳型の中に収まることを要求してしまうのです。

 

「だって、私だってその鋳型の中で生きているんだもの。いろんな我慢をして鋳型の中で生きる努力をしているのに、なんであなただけ自由でよいの??? そんなの許せない!」

という訳です。

 

 そして、さらにやっかいなのは、悟りを開いた仙人以外は、全員が各々異なった鋳型を持って、その中で「これが人間の当たり前」だと思って生きていることです。

 

そして、そんな鋳型の中で窮屈に生きていることに気付いていないということなのです。

 

 そして、自分が自分特有の鋳型の中で生きていることに気付かないまま、その鋳型を自分自身と勘違いして、自分の鋳型が一番だと思い込み、まわりにいる人も、その鋳型の中で生きることが“正しい”と思い込み、そうすることを要求します。

 

意地悪ではなく、その人の善意で、それが正しいと思い込むわけです。

 

その結果、鋳型が似た形をしている人とは氣が合い、鋳型の形が異なる人とは氣が合わない、と判断する結果となり、鋳型の形の異なる人が側にいると、「ストレスだ~!!」ということになっている訳です。

 

 一番手っ取り早いストレス解決法は、地球上に住んでいる地球人全員が、自分の鋳型から抜け出て、本当の意味での“自由”になってしまえばいいということなのですが、人間には、どう生きても自由だという宇宙法則があるわけですから、それらは本人の自主性に委ねるしかありません。

 

ですから、私たちは、ストレスの元になっていると感じている、その人がその人の鋳型から抜け出るのを待っていても、日は暮れ、一生が終わってしまいます。

 

その間、ずっと相手を自分の鋳型に入れようと、(また相手は相手で、相手の鋳型にあなたを入れようと)絶対に不可能なことをやり続け、うまくいかずに、どんどんストレスをため続けたり、途中で諦めて、コミュニケーションそのものをやめてしまう場合も出てきます。

 

イライラしていても、諦めて表面には熱がなくなっても、不完全燃焼のフラストレーションは、やがて形を「病気」など人生の苦難に変えて、表面に現れてきます。

 

ですから、私がお薦めするのは、意地を張らずに、気がついたあなたから、自分の鋳型から自由になって、人生を楽しみ、相手も相手の鋳型から解放されて、自由になるのを手伝ってあげる方法です。

 

お互いに、自分の鋳型の中で生きる姿は、本当の自分自身の姿ではありません。

 

鋳型の中で生きる相手も、それが本当のその人ではありません。

 

本当の自分ではない“私”と、本当のその人ではない“相手”の間で、ストレスをためて、自律神経のバランスを崩して、しまいには病氣になったのでは、もったいない人生だと感じませんか?

 

まずはこのことに気付いたあなたから、自分の鋳型から逃げ出して自由になる道を選択してみてはいかがでしょうか?

 

これがこの地上での、究極のストレスマネージメントです。

 

次回以降は、さらに各項目を掘り下げていきます。

 

「病気は治すものではなく、やめるものです」

 

「本当の自分」のまま、本来の「生きる目的」に沿って生きる選択を取り戻したとき、

病気をやめることができるのです。病気とは無縁になるのです。

 

 

第2回:「自分の人生」を生きていないとき、人は病気になる

 

第3回:「脳の動かし方」を変えれば、病気はやめられる

 

第4回:あなたが「許していない自分」に気づく

 

第5回:本来の「生きる目的」に向かって生きる

 

第6回:その「言葉の使い方」やめれば。病気もやめられる

 

第7回:「本当の自分の記憶」を思い出し、病気の根を断つ

 

お楽しみに!!

 

 

北澤尚雄  拝

 

 

 

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