ストレスが腸に及ぼす影響

 

 

私たちの腸は、自律神経と密接に関係しています。

 

自律神経とは、呼吸や血圧などの生命活動を、環境などに合わせて無意識的に調節している機能です。

 

自律神経は、交感神経と、副交感神経の2つに分けられます。

 

交感神経は、ストレスのかかる場面や、敵に襲われるなどの緊急事態の時優位に働きます。

 

(闘争・逃走反応)

 

すぐにその場から逃げられるように、もしくは戦うために、身体は心臓の拍出を強め、呼吸をしやすく軌道を広げ、瞳孔が開き、筋肉に力が入りやすくなります。また緊急事態時にあまり重要ではない、消化や排せつといった機能は鈍くなります。

 

急な緊張に襲われた場面を思い出してみて下さい。

 

胸がドキドキしますよね。

 

あれは、交感神経が優位に働き、心臓の収縮力が高まり心拍数が増えているからです。

 

逆に、リラックスしているときは、副交感神経が働いています。

 

身体がお休みモードになっているときです。

 

副交感神経が優位に働いているときは、血圧は降下、筋肉は弛緩、気管支は収縮、瞳孔は収縮します。

 

腸も自律神経の働きによって機能しています。

 

小腸では、食べ物の消化・吸収、大腸では水分の吸収や、老廃物を運搬し、体外へ排出するための運動「蠕動運動(ぜんどううんどう)」「分節運動」「振動運動」を自律神経の働きによって動かしています。

 

不眠や精神的ストレスなど、過度にストレスがかかると、自律神経の働きが乱れ、腸の動きが活発になりすぎて、便秘になることがあります。(痙攣性便秘)

痙攣性便秘の特徴はウサギの糞のようなコロコロとした便になることです。

 

また、最初は、コロコロとしていたのに途中から下痢のようになることもあります。

 

便秘や下痢を繰り返すこともあります。

 

このような便秘は、ストレスがかかることで、抗ストレスホルモン(幸せホルモン)である「セロトニン」(セロトニンは90%が腸に存在しています)が過剰に分泌され過ぎてしまうことで、腸の動きが活発になりすぎたり、痙攣をおこしたり、不安定になってしまうことで起こると考えられています。

 

 

対策は、ストレス解消に努めましょう。原因となっているストレスとうまく付き合う方法を見つけましょう。

 

また、暴飲暴食、冷たい物の摂取を控え、規則正しい生活を心がけましょう。

 

 

漢方では、こうした便通異常に、桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、精神的ストレスが強い便秘は加味逍遥散などが用いられます。

 

また補助的に大黄を含む方剤を使用する場合もあります。

 

 

腸のお悩み、お気軽にご相談ください。

 

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