アレルギーと食事

近年、アレルギーやアトピー体質を持つ人が増えています。その背景には、生活環境や食の変化などが関係していると考えられています。

アレルギーが起こる仕組み

私たちの体には、細菌やウイルスなどの異物から守るための「免疫機能」が備わっています。

本来、免疫は風邪などのウイルスに対して体を守りますが、アレルギー体質の方では、食品や花粉などの特定の物質に対して過剰に反応してしまうことがあります。

アレルギーには大きく分けて4つのパターン（I～Ⅳ型）があり、食べ物や花粉によるアレルギーやアトピーは即時型のI型に分類されます。

食物アレルギーの場合は、食品に含まれるタンパク質（アレルゲン）が皮膚や粘膜に付着したり、腸から吸収されたりすると、免疫がこれらのタンパク質を異物だと認識し、IgEと呼ばれる抗体を大量に生産します。

このIgE抗体とタンパク質（アレルゲン）が反応し、アレルギー症状が現れます。

アレルギーの原因：腸の役割

では、なぜ本来反応しなくても良いはずの物質に過剰反応してしまうのでしょうか？

実は、腸が重要な役割を果たしています。

人間の消化管は、皮膚から口や鼻そして肛門までつながっています。

そのため、腸が弱くなると、皮膚も弱くなり、アレルギーが起こりやすくなります。

さらに、腸は体全体の免疫機能の約7割を占めています。

腸内環境が悪化すると、免疫機能が低下し、アレルギーが起こりやすくなるのです。

現代人の腸と皮膚の弱体化

戦後、衛生環境や食生活が大きく変化しました。

昔は子供たちが屋外で裸足で遊んだり、泥んこ遊びをすることが多かったため、様々な菌と接触し、腸内細菌のバランスが保たれていました。一方、現代では衛生環境が整い、抗生物質の使用も増えたため、腸内細菌の多様性が失われています。

また、昔は粗食だったのに対し、現代は飽食の時代となり、加工食品や糖質が多い食事が中心になっています。このような食生活は腸内環境を悪化させ、アレルギーが起こりやすくなる要因となります。

アレルギーを防ぐための食事

アレルギーを防ぐためには、腸内環境を整えることが重要です。

そのためには、以下の点に注意しましょう。

• 手作り食を心がける：添加物や防腐剤を控えることで、腸への負担を減らすことができます。
• 食物繊維を多く摂取する：食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えます。
• 発酵食品を積極的に食べる：発酵食品には善玉菌が豊富に含まれており、腸内環境を整えます。
• よく噛んで食べる：よく噛むことで、消化が促進され、腸への負担を減らすことができます。

その他

• 十分な睡眠をとる
• ストレスを溜めない
• 適度な運動をする

アレルギーは生活習慣によって改善することができます。自分に合った方法を見つけて、取り組んでいきましょう。

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